バードカービングの5作目にはゴジュウカラをえらんだ。4作目のカワセミの場合は嘴が大きいとかその他幾つかの特徴のある鳥で、その辺をうまく作ればよかった。ゴジュウカラは、木を歩いて下るというのが特徴であるが、身体的な特徴な特になく、今まで作ったキセキレイを下に向けたら簡単に製作できるであろう、ということで気楽に構えてスタートした。しかし、現実はそんなに甘くはなく、以下、その製作過程を日記風に記してみた。
例により、カットアウト(木取り)した素材と目玉はきつつきくらぶから入手した。下に降りているところをデザインしたカットアウトで、ゴジュウカラが「イナバウワー」をしているようなデザインになっていた。しかし良く見ると、以前のカワセミ、キセキレイ、スズメと較べて、頭の部分が平べったい。どこをどうに荒削りして頭を出していけばよいか、スタートから頭を悩ませる事となった。例によって図面から油粘土で簡単にモデリングをしてみたのが下の写真である。
このような粘土模型を作ってみても、今回はあまりしゃんとしたイメージがわかなかった。仕方ないのでいまあるイメージで荒削りを始めるしかないと思い、早速荒削りから始めた。しかし、やはり、平坦な頭部の切り出しに結構時間がかかり、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤が続いた。そうしているうちに何とか荒削りが終わった。
次に、部分削りということであるが、写真で見る限りゴジュウカラは羽根の輪郭がかなりはっきりしているのが特徴のようなので、羽根が浮き出てくれるようにナイフを入れていった。羽根の部分が終わったらあとはバーニングペンで羽毛の表情を入れていった(バーニングペンで書いた後の写真を撮るのを忘れてしまったので載せることが出来ない)。
今までだと次には着色に入るのであるが、ゴジュウカラの場合、作品の最終イメージとして「鳥が下向きで木を歩いて降りている」ということを表現しなければならない。ここで解決しておかなければいけないことが出てきた。それは、(1) ゴジュウカラの左右の脚の付け根は平行か、それとも互い違いになっているのか、(2) ゴジュウカラが歩くときの左右の脚の運びはどういう感じか、(3)ゴジュウカラの足の指自体はどうなっているか、つまり、指が4本あるのかどうか、また、それぞれの指の配置状態はどうなのか、という3点である。
購入したカットアウト素材には図面がついていたが、その図面には、足の図がないのである。足の指の図もなければ、また脚が胴体につく場所が書きこんでいないのである。カワセミなどの場合には、ちゃんと、足指の絵、脚の付く位置がちゃんと書いてあったのに。
仕方なくこちらで検討しなければいけなくなった。まず、足の指の様子、形状であるが、結構苦労したがなんとかネットで写真が入手でき、それを基に作製すくことが出来ることがわかった。
次は脚の付き方と脚の運びである。ネットでゴジュウカラの写真、作品例をみてみると、一見、左右の脚の付け根が互い違いになっているように見えるものが結構あった。しかし、歩くときの付け根が移動するのかな、そんなことがあるのかな、と思ってしまう。歩いていないときの写真では明らかに当然ながら左右の脚の付け根が平行であった。写真も良く見た結果、歩くときの付け根が移動するのはどうも釈然としない、ということで、脚の付け根は左右平行にすることにした。そうして、歩く姿を想像してみて、片方は脚は伸びたように、片方は脚をまげている状態にしてみた。そうするとなんとか歩く姿ができそうである、ということになった。この結論は生物学的も間違っていないとは思うが、もし違っていたらいずれ一からゴジュウカラの作り直しになろう。
以上の果、足指、脚をどうするかのイメージが出来て、鳥本体を着色する前に、足全体を作製し、また、仮の台座を作製して(今回も前回のカワセミ同様、流木を用いた)、仮に鳥を固定してみた。果たして思ったようにうまく行くか。その結果が下の写真である(鳥本体は着色はしてないが下地塗りをしているので白くなっている)。
何とかうまく収まったようである。うまく固定できたし、うまくあるいている雰囲気になってきた。脚の運びについては、上の写真をクリックすると拡大するので分かりやすいかもしれない。
そうして、いよいよ最後の着色という段階に入った。ここでは、ゴジュウカラの頭、背などの基本的な色の表現に苦労した。頭、背などの毛の色は、なんと言ってよいか、薄めの青色のような、あるいは、薄めの青にび色のような、また、少しバイオレットが入っているような感じの色であるが、それがなかなか出なくて苦労した。手持ちの絵具の色数も少なくて、思い立っては自転車で近くにある画材屋(近くにあって便利)にいっては次々買い求めるという状態であった。何とか色を混ぜ合わせて作ってみたがあまり満足していない。次にまたゴジュウカラを作るときは改めて考えることにして、適当なところで手を打った。
こうして、やっとゴジュウカラが完成した(下の写真。クリックすると拡大します)。初めは簡単に製作できるであろうと気楽に構えてスタートしたが、いろいろと勉強しなければいけないことが出てきたことになった。完成してみると、青色が結構涼しげで良い感じの鳥になったようである。明日にも梅雨明けかという湿度の高い天候なのでよけいにそう感ずるのかもしれない。
次は何を作ろうか。今朝もいまだにやかましく鳴いているウグイスにしようかな、というところである。鳥本体としてもウグイスの色(鶯茶)をどう表現するかということもあるが、台座の方も考えなければならないのでそっちの方の楽しみもある(流木は使いたくないので)。
下の写真は最近製作した3羽の鳥をまとめて写真に撮ったものである。