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2005年10月 2日 (日)

秘太刀 馬の骨(最終回)の感想

 NHKTV「秘太刀 馬の骨」6回シリーズをみた。こうやって時代劇を熱を入れて見るのもNHKの「蝉しぐれ」や映画の「たそがれ清兵衛」以来のことである。「蝉しぐれ」についてもわくわくしてみていた。主役の主人公によくもぴったりした俳優をあてたものだと感心していた。そして、今回もその内野聖陽が「秘太刀 馬の骨」で主役なので期待も高まった。

 5回までは秘太刀の遣い手探しのちゃんばらでそれなりに楽しんできた。最終回にどう話は展開していくかわからないままでいた。途中で原作も購入したが放映前に家内の方から遣い手をばらすと離婚だと宣言されてしまい封印した。

 最終回の日、そのあらすじが新聞にででていたがなかなか筋をおっかけてみるのがしんどいと思っていた。そして、45分弱のなかで十分話がつくものであろかと心配しながら見始めた・・・・・・・それなりに楽しみながらみたが、ついに秘太刀の遣い手が登場し難敵の用心棒に対して馬の骨を遣う。

 そこまでは良かった。しかしそのあとが脚本としてどうもいただけなかった。銀次郎は計6名と申しあわせ試合を行なった。そのためにかなり努力している。裏情報も集めそれを突きつけて嫌がる相手とも試合をするように誘い出している。自らもいくつもの痛手を受けている。木刀での試合で間違ったら死ぬかもしれないところまでやっている(原作はどうなっているか知らないが)。

 そういう経緯のあとで秘太刀の遣い手を見た。そして、面の割れた遣い手と対面し睨みあう。そこまでやっていざ対決か、というところになったとき、対決はなしで終わってしまう。そのあとこの番組を消化不良に陥いらせたあほらしいシーンとなる。冷や水を浴びせられた感じの言葉が続く。銀次郎の言葉として引用すると「幻だ」「俺たちは幻をみた」「秘太刀を受け継いだものはおらぬ」「闇に帰ったのだ、馬の骨は」「二度と現れぬ」と、畳み込んでしまうようなセリフが続きメインの話は終了する。どこか流れとして違和感がある。本当に消化不良である。もし有料サイトであれば金返せといいたくもなろう(NHKは受信料の対価としてのフィードバックをとらないのがそもそもおかしい)。

 そこで、原本で、遣い手の現れる箇所のみ読んで見た。原本では、遣い手の面は最後まで割れなかった。割れないときに銀次郎のように「あれは幻だ」というのであればわかりやすい。面がわれたあとで「あれは幻だ」というセリフのばかばかしさ。原本ではそもそも銀次郎は遣い手が出現する場面にはいない。そのほうが、遣い手のことを半次郎から聞いたとしても「あれは幻だ」といってもおかしくはない。しかし原本では銀次郎は遣い手の現れたことすらしらない。半次郎が現れたことを握りつぶしてしまったとしている。このほうが本当の意味で 「闇に帰ったのだ、馬の骨は」という言葉がふさわしい。原本では「金返せ」とはならない。一般に映画・TVは原本よりは劣るということは言い古されたことばがあるが、今回改めてそれを感じた。

 そして、蛇足ながら、6回目の最後がやはり蛇足である。なくても良いか、あってもごく短くするべきであろう。無内容の蛇足が10-15分間続くのは、消化不良に陥っているのをさらにむかつかせることになってしまった。こういう蛇足は、「たそがれ清兵衛」のときも感じた。岸恵子の回顧シーンがそれである。脚色した人は違うものの映像化するどうしてこうも蛇足がつくのであろうか。そもそも藤沢周平の小説には蛇足がないから好きなのである。蛇足をつければ台無しになってしまう。

 とはいうものの今回の「秘太刀 馬の骨」も十分楽しませてもらったことはありがたい。今後も藤沢周平ものを制作してください。そして、いま、わが身は定年まであと数年あったが早期退職しいち早く老後の心境にあるので「三屋清左衛門残日録」をもう一度みたい。DVDでの販売はされているが再放送を期待している。

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コメント

はじめまして。終わってしまいましたね、馬の骨。確かに「あれは幻だ」という台詞、意味が分かりませんでした。原作では、そういう風になっていたのですね。基本的に、結末を知ってる小説は読まないんですが、ここはあえて原作読んでみようかな。TBさせていただきます。

投稿: ハリケーン678 | 2005年10月 4日 (火) 00:32

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昨日9月30日で、 NHK総合で毎週金曜21:15から放映していた、時代劇 「秘太刀 (ひだち) 馬の骨」が最終回を迎えました。 最近、テレビドラマを毎週欠かさずに見ることが少なかったのですが、 このドラマは全6話をすべて見ましたよ。 面白かった~。 なんといっても見所は、 主人公・石橋銀次郎が、 馬の首を一刀両断するという秘太刀(技のこと)「馬の骨」を探し求め、 それを伝授されているかもしれない6人の剣客たちと 死闘を繰り広げる場面です。 このドラマの殺陣では... [続きを読む]

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