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2005年9月 1日 (木)

ハリケーン・カトリーナと伊勢湾台風

 米国で超大型ハリケーンの被害が相当大きなものになると予想されている。ブッシュ大統領も 、米国史上最大の自然災害であると宣言したし、また、回復には何年もかかると述べている。今日(9月1日)のニュースでは、ニューオリンズの市長が被害は死者数千人になると述べている。

 この被害数で思い出したのは伊勢湾台風である。死者・行方不明者5000人以上の台風であった。日本で観測史上最大のものであった。幸い私は中国地方(広島6区)のため、その被害はなかったのであるが、遠くはなれた町でも伊勢湾台風の余波はきていて、学校が休校になり、小学生の私は風の中を帰宅していったことを今でも鮮明に覚えている。

 伊勢湾台風の被害は、災害に対する認識を新たにし、災害対策基本法制定のきっかけにもなった。そうして、防波堤ばかりで、日本から海岸がなくなる、という状況へ突入していった。自然破壊といえば自然破壊であるが、防災という観点からは必須のものであったろう。今回の米国ハリケーンの被災地も、伊勢湾台風で危害を受けた場所と同じように低地、海抜ゼロメータ遅滞だと聞いている。環境は似ていると感じた。

 こうして日本での自然災害の教訓を思い出してみると、米国はどうであったのであろうか。自分の国に経済的な利益をもたらすもの以外のことは拒絶して来たのではなかろうか。気候変動枠組条約の京都議定書についても真っ先に反対しているのは有名である。また、大豆などの遺伝子組み換え生物について心配されている。そのために、生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書がまとめられているが、それに参加していない有名な国といえば米国である。北朝鮮でも締結しているというのに。

 自分の国に利益をもたらさないものは反対であるという国策をバックアップしているのがITを背景にした米国流のグローバリズムであり、それが世界のスタンダードだと称している。しかし、その結果、経済的メリットのみがすべてを優先する、善であるという考えを押し付け、米国国内にもまた世界中の国で二極化が進んでいる。そして、その結果、社会が歪んできている。

 今回のハリケーンの被害についても、大統領は、被害者の自己犠牲論で突っぱねるのであろうか。かわいそうな表現ではあるが、被害にあった人がバカなのだというロジックで。そして、日本では伊勢湾台風をきっかけに必要以上ともいえるような社会整備を実施してきたのだが、米国はどう動くであろうか。米国流グローバリズムの観点からすれば、とりあえずの「対策」のみして本的な政策へと果たして移るであろうか。今回の災害が米国の試金石になってきたようだ。

 日本は伊勢湾台風をきっかけに整備をしてきた。しかし、今、伊勢湾台風が来たとして、過去と同様の対策を実施したかどうか。今の政府のやり方から見てはなはだ疑問である。阪神震災以降、どれだけ対策が講じられたか、をみるとはなはだ心もとない。

 すべてがグローバリズムの波に飲まれ「効率化」という謳い文句で世の中が動いていて、「金儲けがすべてだ」という風潮を植えつけるような「若者」がでてきているこの時期に、自然災害対策まで「効率化」の波に飲まれてしまいそうなのが残念である。

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