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2005年7月29日 (金)

新居のアマガエル

今年3月に新居が完成し、5月に引越ししてきたのであるが、花については解体した前の建物が立っていたときからのものをそのままにして新築した。いろんな花が時期を変えて咲いてくる。また、周辺も樹木の多い環境で、この夏の暑い時期でも、以前すんでいた家と比べ、ヒートアイランド現象から開放されてグリーンのカーテンの中で涼しさを満喫している。

樹木・草木以外については一匹だけ変わり者がいた。以前の建物がたっていたときに、昨年の4月のころであろうか、敷地内の廃棄自転車に一つの小さい青いものがある。物にしては、青すぎる。しかし、全く動いていない。微動だにしない。近づいてみた。やはり生き物であった。それが小さい青ガエル(挿入しているピンボケ写真)だった。草木の名前にも疎いものにとっては動物についてもやはり疎い。名前は定かでない。しかし、無い知識をもとして、一応「アマガエル」とした。梅雨時分でもなくアマガエルがいるのだろうかという不自然さ、また、自転車のところにじっとしていて、何をするわけでもなく、動くのでもなく、ただじっとしている。カエルなりに「座禅」でもしているのか、と思わせるような感じであった。 frog_PICT0276B11

一年後に引越ししたわけであるが、あるとき、塀の上にじっとしている物があった。いや、居た。見覚え覚えのある小さいカエルであった。1年たっているので同じものではないだろう。しかし、少なくとも親戚のようだ。また、じっとしている。カエルであればぴょんぴょん跳んでいけばよさそうなものをじっとしている。今度は自転車ではなく塀にへばりついていたのでまだ、ナチュラルに見えてきた。元気にしてくれるであろうと思った。

一週間くらい前、真夏の暑さが最高に達した。部屋の中は、高断熱のペアガラスの窓のため、暑さはかなり凌げる新築の家の快適さを満喫していた。真夏の昼間は、暑い外気が入ってくるのでどちらかといえば窓は締め切ったほうがよい、ということで、開け閉めしなかった。夕方は、空気の入れ替えなどで、窓は開ける。一週間くらい前のある日、開けたサッシ窓の桟の下をみた。カエルがいるではないか。家の中は涼しいが、サッシ窓の桟は太陽光の直撃だ。暑い。しかし、カエルは相変わらずじっとしている、動かない。この暑い中を頑張っているな、という印象だった。しかし、状況は違った。動かないのではなく、動けないのであった。死んでいた。そのままにしておいた。だんだん黒ずんでいった。

このカエルの人生は何であったのだろうか。この状態はカエルだけであろうか。人間でも同じことはないであろうか。「座禅」状態のカエルがそのまま暑さのせいで昇天した。まるで、カエルの即身成仏であった。志賀直哉の「城の崎にて」をついつい思い出してしまう。「かわいそうだけどドジ」というのが今の競争社会の亡者の切捨ての文言であろう。しかし、どうにかならないのであろうか。会社生活を送っている祖人々もついつい「煮えガエル」状態になるでかもしれない。しかしそれだけならまだましだが、そのうち会社から「こころの病」という、原因を隠蔽した病名をもらってしまわないともかぎらない。そして最悪の場合は抹殺されかねない。我が家のアオガエルと同じように。そうならないことをただただ祈るだけである

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